慰謝料

医療過誤では、慰謝料について①入通院慰謝料②後遺障害慰謝料③死亡慰謝料の3つがあります。

入通院慰謝料とは、医療ミスや医療過誤によって本来必要のなかった入院・通院を余儀なくされた場合に請求されるものです。
精神的苦痛の程度は本来個々人で異なりますが、入通院慰謝料の算定では、精神的損害の大きさを測る指標として「入院・通院日数」や「入通院期間」が用いられます。

医療過誤により、患者に生じる病気や障害の程度によりますが、通常の入通院慰謝料の目安は以下の表のとおりとなります。(単位:万円)

例えば、3か月入院し、退院した後に1か月通院した場合の慰謝料の目安は、162万円となります。

後遺障害慰謝料は、医療過誤により後遺障害が残った場合、その障害の程度に応じて支払われる慰謝料です。
労災事故や交通事故と同様、後遺障害の程度を1級〜14級に区分する基準が用いられますが、医療過誤事件には後遺障害等級を公式に認定する機関が存在しません。
そのため、医療過誤の被害者側が、事故類型の後遺障害等級に照らして自身の障害の程度を明らかにしていく必要があります。
なお、1級が最も重く、等級が上がるほど障害の程度は軽くなります。
慰謝料額の目安としては、以下の表を参考にしてください。

具体例として、第1級の後遺障害の例としては、両目の失明や常に介護を要するものなどが該当します。第14級については、むちうち等の局部に神経症状を残すものが例として挙げられます。

死亡慰謝料は、医療過誤によって患者が死亡した場合に支払われる慰謝料で、通常は相続人が請求します。

死亡慰謝料の算定をする場合には、医療過誤の被害者が、被害者の世帯の中でどのような役割をしていたかで、金額が変わるものとされています。

概ね、医療過誤の被害者が、被害者世帯の一家の支柱である場合には、慰謝料2800万円、母や配偶者の場合は2500万円、それ以外の場合は2000万円程度とされています。

ただし、医療過誤の場合には、被害者が非常に高齢な場合や、重い病を患っていることもあり、状況に応じて慰謝料の金額が減額されることが多々あります。

以上のように、医療過誤の慰謝料は①入通院慰謝料、②後遺障害慰謝料、③死亡慰謝料に分類されますが、後遺障害慰謝料と死亡慰謝料を同時に受け取ることは想定されていません。 そのため、実務上は「入通院慰謝料+後遺障害慰謝料」または 「入通院慰謝料+死亡慰謝料」 のいずれかの組み合わせとなるのが通常です。

さらに、被害者が死亡した場合には、遺族固有の慰謝料も発生するため、総額の算定には多角的な検討が必要となります。

慰謝料の算定の仕方が分からないという方は、是非ご相談ください。